ツアーの行き先としてはあまりメジャーでないけれど、足を運べばとりこになる。ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんがそんな街を訪ねる「魅せられて 必見のヨーロッパ」。今回は、スペイン・トレドの街で遭遇した、聖母マリア像の行列。その迫力に圧倒されたそうです。
「行列がある」の声にひかれて
前回に続きスペインの春の旅。今回はトレドの「セマナ・サンタ(イースター=復活祭)」にまつわる美しく厳かな聖母像の行列についてです。今も目に浮かぶほど美しく印象的でした。
聖金曜日のちょうど1週間前に、トレドに到着しました。まだ行事はないだろうと思っていたら、トレド駅で偶然にスペイン人から「今日は行列があるよ」と声を掛けられました。私がカメラバッグを持っていたからかもしれません。
「ならばホテルへチェックインする前にぜひ見よう!」と、すでに夜の9時半を過ぎていましたが、駅前でタクシーを拾いました。運転手さんは場所を知っていて、すぐに到着。
皆が黒衣に身を包んでいる
誰もが黒い衣装に身を包み、狭い路地はものものしい雰囲気です。
いつ行列が始まるのかしらと、カタコトのスペイン語で聞いてみると、午後11時からだと言います。まだ1時間以上もあります。
子供からお年寄りまでローソク型の明かりを持っています。
小さなお堂では、礼拝が行われているようでした。でも、とてもよそ者の私が入れるような雰囲気ではありません。
近づいてくる厳粛な行列
待ちくたびれたころ、いよいよ人混みの中へ分け入るかのように行列がやってきました。路地は人だらけになり、どこが行列の先頭なのかわからないまま、まずはシャッターを切りました。
周囲は厳粛な雰囲気。白いハンカチを持って、涙をぬぐうおばあさんもいます。ここで遠慮していては撮影できないと、勇気を出して私は路地の真ん中を歩いて、最初の撮影場所を確保しました。ここなら何とか撮れます。
美しい聖母像にため息の渦
周囲からため息が漏れました。私も思わず、息をのむような美しい聖母像に見とれました。
地元の人たちの厳粛な表情から、信仰心が伝わってきます。
聖母像は本当に美しく、あたかも生きているかのようです。
ヨーロッパの各地でイースターの行列を見ましたが、最も印象的だったのはこのトレドの行列と、シチリア島のパレルモで見た行列です。信者でなくても、不思議に胸が熱くなってきます。
気が付くと、午前2時。日付が変わっていました。
一夜明け、ホテルのテラスから絶景を満喫
さて、一夜明けたトレド。
歴史的建物と自然の調和がみごとです。
爽やかな朝の風景。遠くの丘陵地帯が見えます。
街中へ散歩に出かけたら、観光客の多さにびっくり。
マルチパンは、アーモンドの粉とお砂糖が主な原料。色も形もカラフルで、クリスマス期間はもちろん、イースターの時期にも人気のお菓子です。
さて、あれはどんな行列だったのか、後日調べてみました。
「孤独の聖母の行列」(Procesión de Nuestra Señora de la Soledad)と呼ばれる行事でした。当地で「悲しみの金曜日」(Viernes de Dolores)と呼ばれる聖金曜日の1週間前に開かれ、場所はトレドのモサラベ教区にあるサンタス・フスタ・イ・ルフィーナ教会のあたり。
2020年は4月3日に行われます。
https://www.leyendasdetoledo.com/semana-santa-toledo-2020-programa/
同じカトリックでも、国や地域により行事はさまざま。行列も1度とは限らず、期間中に何度か行われる場合がほとんどです。
ヨーロッパ人にとってイースターとは、まさに春の訪れです。私もこの旅では、明るい光の中で新たな始まりとしての「復活祭」を実感しました。
春を求めて、また旅に出たくなりました。
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March 15, 2020 at 09:18PM
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