26日朝、紋別市の沖合のオホーツク海で、毛ガニ漁船とロシア船籍の運搬船が衝突しました。海上保安本部によりますと、この事故で毛ガニ漁船は転覆し、乗っていた5人全員が救助されましたが、このうち3人の死亡が確認されました。
26日午前6時ごろ、紋別市にある紋別港の北東およそ23キロ沖合のオホーツク海で、▼紋別漁協所属の毛ガニ漁船「第八北幸丸」(9.7トン)と▼ロシア・サハリンのネベリスク船籍の運搬船「AMUR(アムール)」(662トン)が衝突しました。
第1管区海上保安本部によりますと、この事故で「第八北幸丸」は転覆して乗組員5人全員が「AMUR」に救助され、このうち3人は心肺停止の状態で紋別港に運ばれましたが、午前10時半ごろ現場で死亡が確認されました。
亡くなったのは、▼機関長の沼端賢良さん(64)、いずれも甲板員の▼井上征俊さん(37)と▼今野俊介さん(39)の3人だということです。
また、ほかに甲板員1人が軽いけがをしました。
船長にけがはないということです。
地元の船舶代理店の話によりますと、「AMUR」は25日にサハリンを出発し、紋別港にカニを運ぶ途中だったということです。
事故当時、現場海域の波は穏やかだったということで、海上保安本部は双方の船の関係者から話を聞くなどして衝突の原因を調べています。
【サハリン州国境警備局の担当者の話】
紋別市沖合のオホーツク海で日本の漁船とロシアの運搬船が衝突したことについて、ロシア極東サハリン州の国境警備局の担当者はNHKの取材に対して、ロシア船籍の船「AMUR」が衝突したという事実を認め、「日本側には死者とけが人が出ているようだ。ロシア側には船員23人が乗っていたがけが人はいない」と話しています。
その上で、「この船は普段からこの航路を航行していたが、けさは霧の影響で周辺の視界が悪かったために漁船に衝突したようだ」と話し、天候不良が要因だったという見方を示しています。
【官房長官「2人は命に別状なし」】
加藤官房長官は午前の記者会見で、「ロシア側から紋別海上保安部に連絡があり、午前8時半ごろ、巡視船が現場に到着し漁船が転覆していることを確認するとともに5人の引き渡しを受け、午前10時過ぎに紋別港に到着して5人を消防に引き渡した」と説明しました。
その上で、「5人のうち3人は死亡が確認され、残り2人については負傷しているものの、命に別状はないと聞いている」と述べました。
【方向転換直後に急停止】
船舶の位置情報をもとに運航ルートを公開している民間のホームページ「マリントラフィック」によりますと、毛ガニ漁船と衝突したロシア船籍の「AMUR」は25日午後1時ごろサハリンを出港し、北海道に向かってオホーツク海を南に進んでいました。
衝突した時刻の26日午前6時ごろには、紋別港に向かって右側に方向転換した直後、スピードが急激に遅くなり停止しました。
【紋別港から現場リポート(北見放送局・五十嵐菜希記者)】
紋別港です。紋別の漁船と衝突したロシア船のアムールは、先ほどこちらに到着しました。
紋別漁協が漁船の乗組員から聞き取った話では、当時、現場には霧がかかっていましたが、ロシア船のマストを見ることはできたということです。
また当時、毛ガニ漁の操業中で海にロープを張っており動くことができない状況で、そこにロシア船が横から衝突し、転覆したと話しているということです。
紋別漁協では午前11時半から臨時の理事会を開いて今後の対応を協議しています。
また紋別海保では、今後、ふたつの船の乗組員から当時の状況について話しを聞くことにしています。
からの記事と詳細 ( 紋別沖で毛ガニ漁船とロシアの運搬船衝突 漁船の3人死亡|NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp )
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