８日午前、熊本県内を走っていた九州新幹線の車内で、６９歳の乗客が床に火をつけたとして、放火未遂の疑いでその場で逮捕されました。
けが人はいませんでしたが、逮捕された乗客は警察の調べに対し「東京の京王線の車内で乗客が火をつけた事件をまねしようと思った」と供述しているということです。
警察によりますと、８日午前９時前、ＪＲ熊本駅から新八代駅の間を走っていた九州新幹線の下り「さくら４０１号」の３号車の中で乗客が床に液体をまいた上でライターで紙に火をつけ床に置きました。
車内では、非常ベルが鳴らされ車両は緊急停車しましたが、火は燃え広がらず、すぐに消えたということです。
ＪＲ九州によりますと、８両編成の車内には、当時、１４１人の乗客がいて、このうち３号車にはおよそ３０人が乗っていましたがけが人はいませんでした。
車両は、その後、新八代駅まで移動し、火を着けた乗客は駆けつけた警察官に放火未遂の疑いでその場で逮捕されました。
逮捕されたのは、福岡市博多区の無職、三宅潔容疑者（６９）で、調べに対し「先月、東京の京王線の車内で乗客が火をつけた事件をまねしようと思った」と供述しているということです。
また、熊本駅からの乗車券を持っていたということで、警察は熊本駅から乗ったとみて、詳しいいきさつや動機を調べています。
事件があった九州新幹線のさくら４０１号は、午前１０時半頃に鹿児島中央駅に到着しました。
事件があった３号車の後ろの４号車に乗っていた男性は「『火事だ』と言いながらみんなが後ろの車両に逃げていきました。避難後は、みんなが落ち着いてそれぞれ連絡を取ったりしていました」と話していました。
また事件後に３号車を通った男性は「３号車では１人が座席に座って下を向いていて、もう１人がその人をいさめてるように見えました。逃げるときに周りの人が落としたと思われるサンドイッチとか飲み物が床に散らばってました」と話していました。
８号車に乗っていた女性は「こんなことが現実であるんだなとびっくりしました。似たような事件が最近ありましたから怖かったです。３号車から移動してきた人は走ってきて動揺してました」と話していました。
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