▽石川の団体 ネット調査
転職、副業多く希望 支援策急務
石川県内のひとり親家庭で、離婚後に定期的に養育費を受け取っているのは三割にとどまり、七割が収入を増やすために転職や副業を望んでいる−。「石川シングルマザーの会」が実施したオンライン調査で、切実な生活状況が明らかになった。「保育園が休園になり働けない」と新型コロナウイルス流行の影響も色濃く、小幡美奈子代表(42)は「今後は就労支援に取り組みたい」と模索する。アンケートは、メルマガ会員を対象に、コロナ感染拡大の「第六波」に見舞われていた三月に実施。回答百六人のうち、夫婦だった相手から養育費を受け取るのは三十三人で、受け取っていない人は「取り決めをしていない」が三十八人、「支払いが止まった」が十八人と続いた。厚生労働省の二〇一六年度調査でも母子家庭の七割が養育費を受け取っておらず、同様の傾向だ。
転職や副業を望んだのはいずれも百六人のうち七十八人。多くが在宅でできる副業を望んだ。悩みや困り事の自由記述では「学校が休校やオンライン授業のため、仕事できる時間が減って給料が少なくなった」「保育園が休園でテレワークしながら育児しているが、二人暮らしで家にこもり、心が疲弊してしまう」との声が寄せられた。
小幡さんは「ひとり親の悩みには、女性が働く上での悩みが凝縮している。時間が限られ、正社員として働くのが難しい。収入を増やしたいと在宅での副業を望むが、子どもとの時間がますますなくなる」と指摘する。悩みの相談先を複数回答で尋ねたところ、友人や家族が多い一方、「相談していない」との回答も目立った。小幡さんは「弱音を吐けず、頑張り過ぎている人が多い」とみている。
「スキル向上が有効」
シングルマザーの会は、コロナ禍のひとり親家庭支援に取り組む企業の協賛を得て、食料品や日用品、商品券などを会員に贈ってきた。一方で、小幡さんは「モノを配るだけではなく、資格取得やスキルアップの就労支援につなげたい」との思いもある。十九日には石川県加賀市内で生命保険会社と連携したライフプランセミナーを開催。二人の子どもを育てたシングルマザーの社員が、参加者に営業職の仕事内容も紹介した。
フリーのWebデザイナーとして働いてきた小幡さん。自身の経験を重ねながら、「スキルを高めることで将来への不安がなくなっていく。ひとり親支援策は多いのに、アクセスできなかったり、『自分にできるはずがない』と思う人がいる。一歩踏み出すお手伝いをするのが私たちの役目」と話している。
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