13億円受け取る？ 詐欺防いだ行員ら感謝状 三重 - 朝日新聞デジタル

亀岡龍太2022年6月24日 12時01分

　SNSを通して外国人女性を名乗り、お金を振り込ませる詐欺を防いだとして、伊賀署は、百五銀行上野支店（山本英司支店長、三重県伊賀市上野恵美須町）と同行員の笠井千佳さん、伊藤光二さんに感謝状を贈った。

　同署や笠井さんらによると、1日午後、市内の60代男性が来店し、お金を振り込もうとした。笠井さんが振り込み目的などを尋ねると、男性は「SNSで知り合った外国人女性の資産を受け取るための手数料」などと話したため、笠井さんと上司の伊藤さんは「つじつまが合わず、詐欺事件だ」と確信。本人の了解を得て110番通報するなどの適切な対応をして被害を防いだ。

　署に対し、男性は、フェイスブックを通して自称英国在住の女性を名乗る人物と知り合ったと説明。女性は病気を患い、資産約13億円を男性に送るとし、男性はその受け取りにFBI（米連邦捜査局）などによる護送の運送料が必要だという話に疑いを持てず、手数料として50万円の送金を求められていた。相手と会ったり話したりしたことはなかったという。

　笠井さんは、来店客の詐欺被害を防いで感謝状を受け取ったのは2度目。「お客さまの被害を防げて安堵（あんど）しています」と話した。伊藤さんは「不審な振り込みなどに声をかける体制はできている。その場ではいやがられても、詐欺被害につながる振り込みはわかり、後で信頼につながる」。中村勇索署長は「窓口は詐欺被害を防ぐ最後のとりで。行員のみなさんの眼力で、ぜひ今後も被害を防いでください」と述べた。（亀岡龍太）

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