静岡放送(SBS)
非難が相次ぐいわゆる「コシヒカリ発言」をめぐり、11月10日夜、川勝知事が御殿場市長を訪ねて謝罪し、発言を撤回しました。9日の”謝罪なし会見”から一転して謝罪した知事に対し、関係者の反応は様々です。 <謝罪会見をする川勝平太知事>「今回の私の発言で不快に思われた方、傷ついた方、心配された方がいることは重々承知しておりまして、誠に申し訳なく思っております。ごめんなさい」 <選挙応援をする川勝平太知事>「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている」 選挙の応援演説で対立候補の元・御殿場市長に関連して「御殿場にはコシヒカリしかない」などと発言した問題。10日までに、県に797件の苦情が寄せられるなど、非難の声が相次いでいます。 <9日の会見での川勝平太知事>「私の発言が大変大きな誤解を生んでいると。それを正しく県民の皆さんに説明すべきとアドバイスを頂いて会見した」 9日に開かれた臨時会見では「誤解を生んだ」との説明に終始し、謝罪は一切しませんでしたが。 <廣田昭由記者>「御殿場市役所に川勝知事が到着しました。これから市長室で勝又市長、高橋議長と面会します。発言について謝罪するものと見られます」 10日夜、一転して勝又御殿場市長の元を訪ね、一連の発言を撤回し、謝罪したのです。 <謝罪会見をする川勝平太知事>「ニュースで(御殿場)市長さんが『公の場で謝罪してほしかった』と言っていたのがショックでしたので、市長さんの所に行って、もう一度しっかりお伝えしたいと思った」 知事は謝罪後の記者会見で「コシヒカリ発言」について「選挙の応援弁士として発言したことが、知事としての発言と受け取られ、関係のない多くの方を傷つけてしまった」と釈明しました。 <謝罪会見をする川勝平太知事>「公務と学問しかしてこなかったのが、この13年間。この10月からは政務(選挙応援)に一歩踏み出しました。したがって政務に入って1回目の失策というか大失態だった。(選挙の)応援に入るということは、そういうことではないかと。したがって、よほど自戒していないと関係のない人を傷つけることになりますので、初めてとはいえ、いい勉強になりました」 これからは「公務の川勝」と「政務の川勝」をしっかり区別するとして、今後の選挙応援にも含みを持たせました。 <ふじのくに県民クラブ 佐野愛子会長>「知事も反省しまして、一層県民に寄り添った県政をしていただくように知事を支えていきたい」 知事を支える県議会の会派からは安堵の声も漏れましたが、当の御殿場市民はどう受け止めたのでしょうか。 <御殿場市民>「謝ったからそれで済ませたいんだろうけど、気持ちはすっきりしない」「ギリギリになって自分の立場が悪くなりそうだから、という感じの印象は受けました」「早く収束して、静岡県のために頑張ってもらって、御殿場市のことをしっかり応援してほしい」 元・御殿場市長の若林さんも取材に応じました。 <元御殿場市長 若林洋平氏>「私個人というより、市民・県民がどう感じるか、ということがすごい大事なことだと思うので、皆さんが納得いくまでは、謝罪したからそれでおしまいということではないんじゃないかなと思います」 <知事の辞職を求めて請願した嶋田康一さん>「川勝平太、辞職しろー!」 県庁の前では10日、知事の辞職を求める請願書を提出した男性が声を荒げました。 <知事の辞職を求めて請願した嶋田康一さん>「ある程度謝罪したことは認めますが、それを許してこのまま知事を続けることは私を認めません」 県議会最大会派はあらためて抗議する姿勢を示しました。 <自民改革会議 野崎正蔵代表>「世論に追い込まれながら会見を開かざるをえなくなったという感じですよね。(発言の)撤回で済むと思いますか?『これで終わっていいんですか』というご意見もたくさん頂いていますので」 知事の不信任決議案の提出なども視野に入れた協議を続けています。
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