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Sunday, March 7, 2021

デスクトップ用の8コアCPUを搭載した15.6型ノート「STYLE-15FXM35-i7-MNEX」 - PC Watch

STYLE-15FXM35-i7-MNEX

 デスクトップ用の第10世代8コア16スレッドと、dGPUにGeForce MX350を搭載したパソコン工房の15.6型ノートPC「STYLE-15FXM35-i7-MNEX」が編集部から送られて来た。スレッド数は16と多め、dGPUでさらなるパワーを……というなかなか興味深い構成だ。試用レポートをお届けしたい。

デスクトップ用8コア16スレッドのプロセッサにGeForce MX350を搭載した15.6型

 今回ご紹介するSTYLE-15FXM35-i7-MNEXは、プロセッサがモバイル用ではなく、デスクトップ用の第10世代Comet Lakeを搭載しているノートPCだ。バッテリ駆動時間は期待できないものの、その分パワーがある。イメージ的にはノートPCのかたちをした一体型PCといった感じかもしれない。

 このCPU内蔵のGPUはIntel UHD Graphics 630となっていて、第11世代のIntel Iris Xe Graphicsより弱いものの、そこをNVIDIAのdGPUで補い、トータルで高性能を目指した構成となる。おもな仕様は以下のとおり。

パソコン工房「STYLE-15FXM35-i7-MNEX」の仕様
プロセッサ Core i7-10700(8コア16スレッド/2.9GHzから最大4.8GHz/キャッシュ 16MB/TDP 65W
メモリ 16GB(8GB×2) / DDR4-2666 S.O.DIMM (PC4-21300)
ストレージ SSD 500GB NVMe対応 M.2
OS Windows 10 Home(64bit)
ディスプレイ 15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)、非光沢
グラフィックス Intel UHD Graphics 630、GeForce MX350(2GB GDDR5)
ネットワーク Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5
インターフェイス USB 3.0×1、USB 3.0 Type-C×1、USB 2.0×2、ミニD-sub15ピン、HDMI、SDカードスロット、100万画素Webカメラ、音声入出力
駆動時間 最大約5.3時間
サイズ/重量 約361mm×250mm×35.6mm(幅×奥行き×高さ)/約2.28kg
価格 10万3,980円(税別)

 プロセッサは第10世代Comet LakeのCore i7-10700。8コア16スレッドでクロックは2.9GHzから最大4.8GHz。キャッシュは16MBでTDPが65W。SKUからもわかるように、デスクトップ用だ。メモリはDDR4-2666 SO-DIMM(PC4-21300)で16GB(8GB×2)。ストレージはNVMe対応 M.2 SSD 500GB。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載している。20H1の範囲内でWindows Updateを適応して評価している。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 630に加え、GeForce MX350(2GB GDDR5)。外部出力用にミニD-sub15ピンとHDMIを備える。ディスプレイは非光沢の15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)。

 ネットワークは、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×1、USB 3.0 Type-C×1、USB 2.0×2、SDカードスロット、100万画素Webカメラ、音声入出力。

 サイズは約361mm×250mm×35.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.28kg。バッテリ駆動時間は最大5.3時間と短めだ。デスクトップ用のプロセッサを搭載しているので仕方ないところか。カスタマイズにも対応しており、価格は10万3,980円(税別)となる。内容を考えるとコストパフォーマンスは高い。

 筐体はマットなブラック。自宅、職場に関係なくマッチする。重量が約2.28kgあるものの、本機の使い方(室内移動程度)を考えるとあまり気にならないだろう。

 前面はパネル中央上にWebカメラ。上左右のフチは狭めだ。左側面にミニD-sub15ピン、HDMI、USB 3.0 Type-C、USB 3.0、USB 2.0。右側面にロックポート、Gigabit Ethernet、USB 2.0、音声入出力、SDカードスロットを配置。電源入力が後ろ側面にあるため、ケーブルが邪魔にならない。裏は手前左右のスリットにスピーカー。四隅にゴム足。バッテリは最近ではめずらしくなった着脱式だ。付属のACアダプタはサイズ約133×65×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量337g、出力19.5V/6.15A。

 15.6型のディスプレイは、非光沢なので見やすいものの、明るさ、発色、視野角、コントラストすべてがいま一歩な印象。i1 Display Proを使い特性を測ったところ、最大輝度202cd/平方mとやはり暗めだった。

 写真の鑑賞/編集で最適とされる標準の明るさ120cd/平方mは、最大から-4が127cd/平方m、-5が107cd/平方mとなった。したがって前者で計測している。黒色輝度は0.961cd/平方mで(目視可能かは別問題で)少し黒が浮く。リニアリティはこの測定をはじめてから最大のズレだろうか。補正前後ではまったく発色が違う。

 性能のわりに安価な分、パネルの品質が落ちるのは仕方ないところか。このあたりは、割り切って使うか、外部ディスプレイにそれなりのものを接続するか、i1 Display Proなどがあれば測定/補正して使うことをおすすめしたい。

測定結果1/白色点と黒色輝度
測定結果2/R・G・Bのリニアリティ

 キーボードはテンキーありのアイソレーションタイプだ。主要キーのキーピッチは約19mm確保されているものの、右側の一部が狭くなっている。横の写真からもわかるように、キーボード面が若干手前に傾いており入力しやすくなっているのはポイントが高い。

 タッチパッドは物理的なボタンが2つあるタイプだ。15.6型でフットプリントがあるため、パームレストも含め十分な面積が確保され扱いやすい。ただ個体差かもしれないが、タッチパッドの反応が鈍いのが少し気になった。

 発熱はキーボード上側のスペースがおもに熱を持ち、パームレストまでは降りて来ないので気にならないが、後述するPower Modesのフォーマンスとエンターテイメントでベンチマークテストなど負荷をかけるとかなり大きなファンの音がする。

 サウンドは裏にスピーカーがあり、机などに音が反射して、間接音として耳に届く。幅があるためステレオ感は十分だが、パワー不足で、カマボコレンジだ。

 ビデオ会議などで使う前面カメラを少し試したところ、約100万画素と解像度が低い上に、映りもかなりアバウト(とりあえず映っているというレベル)だった。

16スレッドとdGPUでハイパフォーマンス!

 初期起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。プリインストールのグループなどはとくにない。デスクトップは壁紙のみの変更とシンプルだ。Comet Lakeとは言え、16スレッド、メモリ16GB、NVMe対応 M.2 SSD、dGPUなので、操作感は申し分ない。

 ストレージはNVMe対応 M.2 SSD 500GBのINTEL SSDPEKNW512GB。C:ドライブのみの1パーティションで約465GBが割り当てられ空き441GB。Wi-FiとBluetoothはIntel製、Gigabit EthernetはRealtek製だ。NVIDIAコントロールパネルからGeForce MX350はCUDAコア640、メモリ2048MB/GDDR5なのがわかる。

スタート画面(タブレットモード)。1画面。とくにプリインストールのグループなどはない
起動時のデスクトップ。壁紙の変更のみとシンプル
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージはNVMe対応 M.2 SSD 500GBのINTEL SSDPEKNW512GB。Wi-FiとBluetoothはIntel製、Gigabit EthernetはRealtek製
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約465GBが割り当てられている
NVIDIAコントロールパネル。CUDAコア640、メモリ2,048MB/GDDR5

 おもなプリインストールのソフトウェアは、Control Center 3.0、FAN Speed Control、Norton Security、Sound Blaster Cinema 6、ノートン スタジオ、ユニットコムのお勧め(リンク集)など。

 Control Center / Power Modesで、静音、パフォーマンス、エンターテイメント、省電力、4つのモードを設定できる。標準はエンターテイメントとなっていた。

Control Center 3.0 / Home
Control Center 3.0 / Power Modes
FAN Speed Control
Sound Blaster Cinema 6

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、Cinebench R23、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。基本Control Center / Power Modesのエンターテイメントで測定しているが、Cinebench/CPUのみ、静音、パフォーマンス、エンターテイメント、省電力で測定した。

 デスクトップ用プロセッサで16スレッド、dGPUという構成なので、結構なスコアとなる。Power Modesでの差は、パフォーマンスとエンターテイメントはほぼ同じ、静音より省電力の方がスコアがかなり低くなる。

 PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは3時間1分。仕様上でも最大約5.3時間と短く、テスト内容を考えれば妥当なところか。本機の特性としても、据え置き的な使い方がメインだと思われるので、バッテリを使うのは室内の移動程度。あまり気にする必要はないのかもしれない。

PCMark 10 v2.1.2506
PCMark 10 Score 5,263
Essentials 9,692
App Start-up Score 13,824
Video Conferencing Score 7,665
Web Browsing Score 8,593
Productivity 8,032
Spreadsheets Score 9,437
Writing Score 6,837
Digital Content Creation 5,083
Photo Editing Score 4,707
Rendering and Visualization Score 6,245
Video Editting Score 4,469
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.0 4,102
Creative Accelarated 3.0 5,136
Work Accelarated 2.0 5,258
Storage 5,047
3DMark v2.16.7117
Time Spy 421@iGPU/1,545@dGPU
Fire Strike Ultra 557
Fire Strike Extreme 2,064
Fire Strike 4,161
Sky Diver 15,850
Cloud Gate 22,248
Ice Storm Extreme 89,252
Ice Storm 81,890
Cinebench R23(R20から)
CPU 6,371 pts@静音
CPU 9,880 pts@パフォーマンス
CPU 9,980 pts@エンターテイメント
CPU 3,899 pts@省電力
CPU(Single Core) 1,241 pts
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード 1792.900 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト 981.125 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード 347.252 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト 870.523 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード 346.185 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト 309.932 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード 60.741 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト 149.578 MB/s

 dGPU搭載なので、SIGMA Photo ProによるRAW現像でiGPUとの差を測定してみた。100枚現像して、8:21 vs 8:18。約3秒とほぼ同じ。このアプリの現像ロジック的に差が出ないのだろう。またこの時、ファンの音がかなりうるさかった。一方で、GeekBench 5でOpenCLを測定すると5,573 vs 15,687。約2.8倍差。確実にdGPUのほうが速い。

 以上のようにSTYLE-15FXM35-i7-MNEXは、15.6型のノートPCにデスクトップ用16スレッドのプロセッサを搭載、加えてdGPUでトータル的にハイパフォーマンスを狙った1台だ。ベンチマークテストの結果からもわかるように、その効果は十分あらわれている。

 反面、バッテリ駆動時間が短い、パネル性能がイマイチなど、気になる部分もあるが、そこは価格とトレードオフだろう。室内の移動が多いが、一体型のような使い方をするユーザーで、ハイコストパフォーマンスな15.6型を求めているのならば、使ってほしい1台だ。

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