「普通に良いけれど…」。
米Gizmodoが今回レビューしているのは、Fossil(フォッシル)のGen 5 LTE。レビュー担当のVictoria Songは「好きでも嫌いでもない」とハッキリ感想を述べています。Gen 5 LTEが使えるのは現在のところ米国のみではありますが、フォッシルが新たにどんなスマートウォッチを出したのか気になるという人は、ぜひキャッチアップしてみてください。そのほかにも「Androidスマホユーザーにとって、もっとスマートウォッチの選択肢があっても良いんじゃない?」と思っている人には、共感できる部分もあるかも。
もう何年もセルラースマートウォッチを製造しているアップルやサムスンとは異なり、最大のWear OSウェアラブルメーカーであるフォッシルにとって初となるセルラースマートウォッチが登場しました。もうちょっと正確にいえばFossil Gen 5 LTEGen 5 LTEはセルラー初代ではなく、Wear OSがまだAndroid WearだったころはLG Watch Sportなどのオプションがあったんですけどね。Androidユーザーは何年もの間、セルラーなしのスマートウォッチならばサムスンという選択肢に頼るしかなく、現在でもセルラーWear OSウォッチはMobvoiののみ。
そんなことから、フォッシルのGen 5 LTEへの注目度は高かったのですが...実際に試してみた率直な感想をレビューします。
Fossil Gen 5 LTE
これは何?:フォッシル初のセルラーウォッチ。
いくら?:349ドル〜(約3万7300円〜)。
好きなところ:電話のクオリティがしっかりしている、カスタムバッテリーモードが使える、ちゃんと機能してくれる、セルラーウォッチにしては価格も悪くない。
好きじゃないところ:プロセッサが古い、米国VerizonのAndroidユーザーのみ利用可能、フォッシルが夏に他モデルで展開したアップデートの適用がない。
Gen 5 LTEは、クアルコム最後の世代のSnapdragon Wear 3100チップを搭載しています。すなわち他のすべてのWear OS時計と同様に重大な欠点がいくつかある、ということになります。それは先月CESでこのスマートウォッチが発表されたときに、結構ショックなことでもありました。クアルコム最新のSnapdragon Wear 4100/4100 + SoCを搭載したGen 6は、おそらく秋ごろにお目見えになるのかなと想定しています。
さらにプロセッサは別として、Gen 5 LTEにはいくつかの制限があります。これは米国ユーザー専用でさらにVerizon専用、iOSでは動作せず、フォッシルが昨夏にリリースした新しいアップデートにも対応していません。
一方で明るい面だって多数あります。Gen 5と同様に1GBのRAMと8GBのオンボードストレージがあり、45mm径ケースと素晴らしい1.28インチAMOLEDディスプレイを装備しています。組み込みのGPS、NFC支払い、高度計やコンパス、その他基本的なセンサーなど、必要となるほぼすべてが揃っています。
もうちょっと詳しく書いていく前に明確にしておきたいのが、やはりこれはVerizonをキャリアとして搭載したAndroidスマホユーザーのためのスマートウォッチであって、そうでない場合にはスマホや通信会社を乗り換える必要があります。でも、私から言えるのは、このスマートウォッチのためだけにそうするのはお勧めしません。
Verizon利用者でAndroidスマホユーザーであるという場合、フォッシルGen 5 LTEは有能なセルラーウォッチです。通話の質も良く、電話を置き忘れたときでも常に信号をキャッチできました(フォッシルが提供するLG Stylo 5を使用)。スマートウォッチで大量のセルラーデータを使用するとバッテリーの消耗も早い印象がありますが、Gen 5 LTEでは5分間の通話で約4%のバッテリーを消耗。LTEを介した音楽のストリーミングは、現在Wear OSでサポートしているストリーミングアプリがないため不可能。スマホなしでは独自のトラックをGen 5 LTEにロードする必要があります。充電は(スマホと同様)毎日する必要があります。
ベーシックな機能は網羅
上記を除けば、かなり標準的なWear OSウォッチだといえそうです。通知は読みやすく、Googleアシスタント/Google Payエコシステムのユーザーなら便利な機能も多々。フィットネストラッカーとしてもなかなか頼りになります。ネイティブの睡眠追跡、VO2最大スコア、フォッシルの新しいウェルネスアプリなどGen 5が行ったアップデートもあれば良かったのですが、残念ながらありません。Gen 5 LTEではGoogle Fitが利用できます。GPSシグナルを見つけるのにちょっとだけ時間がかかることがあったり、ランニングの距離を過大報告したりすることもあります(スマホで約4.8キロメートルが、5.1キロメートルになっているなど)。一方、心拍数の測定値はPolar H10チェストストラップやApple Watchの結果と同じでした! 睡眠の追跡はGoogle Fitを介してであれば利用できます。基本的にはちゃんと機能していて、小さな画面にGoogle Fitアプリをいくつも詰め込まないといけないのがちょっぴり面倒なくらいです。
デザインに関しては、特段書いておくことはありません。私が使ったのは黒で、それは見たまんま黒。45mmのケースはちょっと自分の腕には大きく感じるかなと思う瞬間もありますが、このサイズにしては軽量な印象があります。比較的…ですけどね。
また快適さについては、寝ている間に外さなくても大丈夫だったのは良い兆候なのかな、と思ったり。22mmのシリコンストラップは、超お気に入り!と叫びたくなるものでもありません。素材はダストマグネットですが、交換可能なのでさほど大きな問題にはならないかもしれません。
全体的にフォッシルGen 5 LTEの外観は…正直なところ、嫌いじゃないけれど好き!ってわけでもないような感じです。
お値段はリーズナブル
価格面でいえば、Gen 5 LTEは標準のGen 5よりも約50ドル高い349ドル。ただしLTEに追加料金を支払う必要があって、無制限プランでは月額約10ドルになります。またGen 5 LTEではVerizonのナンバーシェアを使用する必要があって、スマートウォッチとスマートフォンで同じ番号を使用することになります(これは割と標準的なこと)。あと、Gen 5 LTEは、サムスンのGalaxy Watch 3のセルラーバージョンよりも100〜130ドル(約1万700〜1万3900円)安く手に入ります。
フォッシルGen 5 LTEとサムスンスマートウォッチのどちらを選ぶかは、いろいろな要因で変わってきます。たとえばサムスン以外のAndroidスマートフォンユーザーで、Googleアシスタント/Google Payが大好き、高度な健康機能は特に期待しないという場合には、Gen 5 LTEは良い節約になるかもしれません。Galaxyデバイスを搭載したサムスンユーザーで、SpO2やVO2 Maxなどの高度なヘルス機能、オフラインのSpotifyプレイリスト、キャリアの選択が必要な場合は間違いなくサムスンの方が向いています。ちなみにフォッシルのGen 5 LTEはiOSで使用できないため、Apple Watchとは比較にならなさそうです。
もし、あらゆるキャリア(そして諸外国)でも使えるのであれば、Gen 5 LTEはもっと便利だったはず。そして、昨夏にリリースされたアップデートが適用されたのなら、もっともっと良くなるはず…とも思っています。フォッシルが今後Gen 6 LTEスマートウォッチや、マイケル・コース、スカーゲンなど他ブランドのセルラーバージョンもリリースさせるのかはまだわかりませんが、個人的にはそう願っています。だってAndroidユーザーには、サムスンに限らずもっと多くの選択肢があっても良いはずなのだから。Fitbitがセルラースマートウォッチをリリースする気配も無さそうですし、ね。
Wear OSの最大の問題はセルラー機能ではありません。高度な健康系機能や音楽ストリーミングなどの基本機能のサポートについて、Googleのプラットフォームが常に「追いつこう」というスタンスのままであること。 Gen 5 LTEには「もっとうまくできてはず」という要素が多いので、それはちょっと残念にも思えます。
からの記事と詳細 ( フォッシルGen 5 LTEセルラースマートウォッチ レビュー:「もっとこうだったら」が多すぎる問題 - ギズモード・ジャパン )
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