【連載】京都ゆるり休日さんぽ
京都でもっとも早く秋が訪れる場所。それは、和菓子屋の軒先です。菓銘とともに情緒を味わう伝統的な和菓子、栗や果実といった秋の実り、秋の景色が目に浮かぶような暖かい色合い。和菓子の秋の表現の多彩さと豊かさは、眺めるだけで心満たされるはず。今回は、季節の便りを受け取るような「秋の京都の和菓子」のお取り寄せをご紹介します。 【画像】老舗の上生菓子に、秋の味覚を使った和菓子も(5枚)
銘と意匠で秋を伝える お取り寄せにも上生菓子を
お茶席の主菓子(おもがし)としてふるまわれる上生菓子は、日持ちせず、形もくずれやすいため、本来お取り寄せには不向きです。それでも、コロナ禍で長引く外出自粛生活や、遠方からの来店が難しい人にとっての小さな喜びになればと、祇園の老舗和菓子店「鍵善良房」がスタートしたのがこちら。 「季節の上生菓子 4種セット」は、京都から翌日配送が可能な地域に限りお届けしているもの。約1カ月で内容が変わり、日本の細やかな季節のうつろいを繊細な意匠で表現しています。端正な木箱に入った4種の上生菓子は、なるべく形がくずれにくいものを選び、できたてを包んで、届いたその日にいただいてもらう。店と客との信頼関係があってこそ成り立つ、お取り寄せの形です。 「少しでもみなさまの暮らしを明るく、季節感をお届けできればという思いで、上生菓子の発送を考えました。塞ぎ込みがちな自粛生活の中で『季節を感じられて気分が安らいだ』といったお声をいただいています」と代表の今西善也さんは話します。 「鍵善」でお取り寄せするなら、合わせて注文したいのが「鍵もち」。丹念に練り上げた羽二重餅に煎(い)りたて、挽(ひ)きたてのきなこをたっぷりまぶしたシンプルなお菓子ですが、上品な甘さと夢心地の柔らかさは一度食べたら忘れられません。7日ほど日持ちがするため、贈り物にも重宝します。 ■鍵善良房 https://ift.tt/3nWXP12
渋皮の野趣と栗の甘みが溶け合う一粒
秋の和菓子といえば、真っ先に思い浮かぶのが栗を使ったもの。1927(昭和2)年の創業から「栗菓匠」として営む「若菜屋」にも、渋皮付きの栗を使った秋だけの楽しみ「渋皮栗 焼き栗きんとん」が登場します。「若菜屋」の代表銘菓である渋皮栗の蜜漬け「栗阿彌(りつあみ)」のファンの顧客から、「渋皮栗を使ったきんとんも作ってほしい」という声を受けて実現したのだそう。 渋皮栗をなめらかに練りあげ、白あんと合わせて栗型に成形したこちらは、しっとり・ほっくりとした舌触り。こんがりと付いた焼き目も香ばしい一品です。ひと口ごとに野趣あふれる渋皮の風味がふわりと香り、ほうじ茶や番茶といった素朴なお茶、コーヒーなどにもよく合います。 ■若菜屋 http://www.wakanaya.jp/
からの記事と詳細 ( 秋の便りを受け取るように お取り寄せしたい京の味〈和菓子編〉(朝日新聞デジタルマガジン&[and]) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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