逮捕された受け子は「普通の主婦」
特殊詐欺事件で、被害者から現金を受け取る、いわゆる「受け子」をしていたみられる42歳の主婦が、警視庁練馬署に逮捕された。
田中裕子容疑者は、仲間とともに、3月8日から9日にかけて、東京・練馬区に住む70代の男性に、長男を装って、「会社の経費を流用したことが監査で発覚した。損失を補填するために。至急、お金が必要」などとウソの電話をかけ、現金600万円をだまし取った疑いが持たれている。
田中容疑者は、会計事務所の職員になりすまし、指定された練馬区の路上で、被害者の男性に接触。そこで600万円が入った封筒を受け取ったとみられる。現場付近の防犯カメラの映像から、関与が浮上したもので、田中容疑者は、3月29日、埼玉県志木市の自宅で逮捕された。
「生活費の足しに・・・」 SNSで見つけた闇バイト
捜査関係者によると「普通の家庭を持つ主婦」だったという田中容疑者。調べに対して「生活費が足りず、生活費の足しにしようとして行った」などと供述。家計を支えるため、派遣社員としてアパレル関係の仕事をしていたというが、それでも金が足りなかったのか。
田中容疑者は、SNS上で、「荷物の受け取り数万円」と書かれた、いわゆる「闇バイト」の投稿を見つけ、コンタクトをとったという。そして、指示役に言われるがままに犯行に加担したとみられている。
背景には受け子の「人手不足」か
特殊詐欺グループが、SNSを通じて、「受け子」を集めるのは常套手段だ。ただ、かつては、「一般の人ではたどり着けないインターネットのディープな場所」(捜査関係者)で、勧誘が行われていたとのこと。
しかし、近年は、取り締まりの強化などにより、受け子の「人手不足」が起きているとされる。そのため詐欺グループも、なりふり構わず、”一般の人”でも目につくSNSで、勧誘に乗り出しているという。そこに「普通の主婦」の田中容疑者がハマってしまったということだ。
田中容疑者は「封筒受け取ったことに間違いありません でもだまし取るつもりはなかった」と容疑を一部否認している。練馬署は、田中容疑者のSNSのやりとりなどを捜査し、指示役の逮捕に向け捜査をしていく方針だ。
(フジテレビ社会部・警視庁担当 村田修一)
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