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Tuesday, July 19, 2022

60歳から年金を受け取ることは可能ですか? - All About

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金を受け取る年齢についての質問です。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q:60歳から年金を受け取ることは可能ですか?

「65歳から支給される年金を、60歳から受け取ることは可能ですか?」(タニさん)
 
60歳から年金を受給できますか?

60歳から年金を受給できますか?

 

A:年金を繰り上げすれば、60歳から年金を受け取ることができます

老齢基礎年金(国民年金)も老齢厚生年金(厚生年金)も本来は65歳に受け取り開始ですが、60歳~64歳11カ月までの間、繰り上げて受け取ることもできます。ただし、1カ月早く受け取るごとに0.4%(昭和37年4月1日以前生まれの人は0.5%)減額されます。
 
仮に、相談者が60歳までの加入実績で、65歳以降、老齢基礎年金77万7800円(令和4年度)、老齢厚生年金108万円、合計185万7800円受給できるとし、下記の2つのケースで繰り上げ請求した場合を計算してみます。

<ケース1>
相談者が昭和37年4月2日生まれで、60歳3カ月(令和4年7月15日時点)で繰り上げ請求した場合

このケースは、65歳で請求するよりも57カ月早く請求することになります。また、この場合は、1カ月当たり0.4%の減額率が適用され、計算式は以下のようになります。

185万7800円×(100%-減額率0.4%×57カ月)=185万7800円×(100%-22.8%)
=185万7800円×77.2%=143万4221円

したがって、ケース1の場合は年額143万4221円が支給されます。

<ケース2>
相談者が昭和37年3月2日生まれで、60歳4カ月(令和4年7月15日時点)で繰り上げ請求した場合

このケースは、65歳で請求するよりも56カ月早く請求することになります。また、この場合は、1カ月当たり0.5%の減額率が適用され、計算式は以下のようになります。

185万7800円×(100%-減額率0.5%×56カ月)=185万7800円×(100%-28%)
=185万7800円×72%=133万7616円

したがって、ケース2の場合は年額133万7616円が支給されます。
 
*注、物価、賃金、経済マクロスライド等で調整されるので金額の増減が若干あります。
 
年金の繰り上げの注意点としては、以下のようなデメリットがあることです。

・老齢年金の繰り上げ請求は、老齢基礎年金・老齢厚生年金を同時にしなければならず、一生減額されます。

・65歳までの間、会社員(厚生年金加入者)として在職する場合、繰り上げた老齢厚生年金は、在職老齢年金制度によって一部または全部、支給停止になることもあります。

・ハローワークで失業給付(基本手当)を受ける場合、老齢厚生年金は支給停止となり、併給はできません。

・老齢基礎年金、老齢厚生年金を繰り上げ受給した場合、65歳までの間に、万が一事故に遭って大けがをしたり、持病が悪化したりすることで、障害を抱えても、障害基礎年金、障害厚生年金は請求できません。

・65歳までの間、国民年金保険料を任意で支払って、65歳以後の老齢基礎年金を増やすこともできません。

よく検討してから繰り上げ受給は行いましょう。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。
 
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