年金を自分事として考える
自分にとって必要な情報をしっかりと調べるのが得意なひよっこさんが、お金や年金に関することを自身の経験を通してつづります。第3回は、年金の受給開始年齢について、ひよっこさんの体験を語ってくれました。
年金受給申請手続きについて
今回は、年金請求手続きの通知が来てから、私が調べたり、考えたりしたことや、年金受給にあたっての選択肢について書いてみたいと思います。 前回の記事で書いていなかったのですが、これから書く「年金」は、正確には、「老齢基礎年金」といわれているもので、日本年金機構が管理をしています。社会保険料の納付が10年以上ある人に対して、65歳に達した月の翌月に、年金を受給できる権利が発生します。支給は原則として偶数月の15日に、前の2か月分がまとめて支給されます。 その手続きに必要な書類が、誕生月の3か月前に送付され、必要な書類に記入して、準備をすることになります。手続きは近くの年金事務所で行うことになります。「年金事務所は込み合うので、予約をしてください」と言われ、予約をしたのですが、実際は、前の人の面談が終わらず待たされました。時には予約時間が押すこともありますが、年金事務所での相談や手続きの際には、予約をしてから行くことをおすすめします。
受給繰り上げと繰り下げ受給
基本的に年金の支給は65歳からですが、60歳から受け取る(繰り上げ受給)ことも可能ですし、逆に70歳までの期間で繰り下げる(繰り下げ受給)こともできます。現在、繰り下げは70歳までですが、令和2年の国会で、年金制度の改正案が可決されて変更され、2020(令和4)年4月から、繰り下げ受給は75歳まで可能になります。それ以外の変更もありますので、それについては、後ほど書きたいと思います。 悩ましいのは、老齢基礎年金の場合、もらうといったん決めたら途中で変更できないことです。変更ができたら、一応申請しておいて、事情が変わったら、申請をし直すということができたら気持ち的には楽なのですが。経済事情や健康状態など将来のことはわからない状態で決定しなければならないので、考えてしまいます。 「みんなはどうしているの?」と、友人に聞いたところ、65歳で受給開始したという答えがほとんどでした。一人だけ繰り上げ受給したという人がいました。 繰り上げ受給した友人は、「うちは長生きする家系ではないので、早めに受け取った方が得だ」と思ったとのことでした。ただ、60歳から受け取った場合、支給される年金は毎月減額されていき、減額幅は大きくなっていきます。以前は減額率が月あたり0.5%で、最大マイナス30%ですが、改正により、2022(令和4)年4月からは、月当り0.4%、最大でマイナス24%となりました。この減額された額のまま年金を一生もらい続けることになります。 その友人は、「まだ元気なうちにもらっておかないと、せっかく年金をもらっても楽しめなくなる」とも言っていました。これには同感できました。 繰り下げたという人は私の周りにはいませんでしたが、年金事務所で手続をした際に聞いてみたところ、最近増加していますとのことでした。これは、繰り下げると受け取れる金額が増加するからだと思います。 最大75歳まで繰り下げた場合、65歳での受給開始より84%増えます。この増額された額は一生続きます。毎月(といっても2か月に一度の支給ですが)もらえる額が多いのはとても魅力です。特に現在ほとんど利子がつかない時代ですので、余計にまぶしく感じます。 ただ、繰り下げた場合、受給できる期間が短くなるので、早めに亡くなってしまえば、損になることもあり得ます。損益分岐は87歳といわれています。87歳以上生きられるのなら、繰り下げがお得になります。日本人の平均寿命は延びており、特に女性は長生きとの統計も出ていますので、政府も様々な観点から延長したのだと思います。
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December 03, 2020 at 05:08PM
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