KKB鹿児島放送
鹿児島市と福岡市の間で、ある乗り物を活用した新たな物流サービスが始まりました。朝送った荷物がその日のうちに届く「即日配送」が可能になります。 午前11時、鹿児島中央駅に佐川急便のトラックが到着しました。荷台から運び出された荷物の中には焼酎が入ったケースやかごしまと書かれた保冷箱もー。荷物を受け取ったスタッフが台車を押して向かったのは・・・新幹線のホーム？ JR九州と佐川急便は18日から九州新幹線を活用した新たな物流サービスを鹿児島市と福岡市の間で始めました。 JR九州 営業部 列車物流プロジェクト 新山 夏江 課長代理 「コロナの時代で(乗客数が減るなか)いかに収入を稼げるかというところで、(新幹線の車内の)未活用スペースを活用した新しい収入源となる事業ということでスタートした」 佐川急便が集荷した荷物を新幹線に載せて運び、駅に到着後再びトラックで配送する仕組みです。鹿児島中央駅と博多駅の1日上下1便ずつで、鹿児島市から送る場合は正午に中央駅を出発する新幹線で輸送します。 鹿児島中央ー博多間を1時間半ほどでつなぐ九州新幹線ー。最大のメリットは、やはりそのスピードです。トラックと比べて輸送時間が大幅に短縮され午前10時までに営業所に連絡すれば即日配送が可能になります。料金は770円からで配送エリアは駅周辺などに限られています。 JR九州 営業部 列車物流プロジェクト 新山 夏江 課長代理 「速達性を生かし、鹿児島で朝捕れた魚を福岡のレストランに運んで、ディナーにはその魚が並ぶというような鹿児島の活性にもつなげていきたい」 荷物を載せるスペースは、かつて車内販売の準備室として使われていたスペースを活用します。 JR九州 営業部 列車物流プロジェクト 新山 夏江 課長代理 「未活用スペースを活用するので、投資も少なく収入源を生み出せるというところが最大のメリットだと思う」 また、JR九州は鹿児島中央駅と博多駅の「みどりの窓口」で、荷物の受け付けや受け取りができる新幹線物流サービスも始めました。こちらは1日上下合わせて5便で、料金は900円から最速2時間40分で荷物を受け取れるといいます。 JR九州 営業部 列車物流プロジェクト 新山 夏江 課長代理 「需要などを把握しながら今後の事業拡大については積極的に取り組んでいきたい」 18日に鹿児島市から送られた荷物は20個ほどで、中には焼酎や鮮魚、書類などが入っていたということです。また、JR九州はサービス開始を記念して19日から2日間、福岡で朝採れたフルーツを新幹線で鹿児島に運び駅で販売するマルシェを開催します。 地域間の交流にもつながるのか、今後の展開が期待されます。
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