NASAの現時点でのスケジュールどおりCrew-2の4名の宇宙飛行士がSpaceX(スペースX)Crew-3ミッション到着前に帰還となれば、国際宇宙ステーション(ISS)はしばらくの間、閑散としそうです。
Crew-3ミッションの打ち上げは実現までに時間がかかっています。新たなクルードラゴン宇宙船「エンデュランス」の打ち上げは10月31日に予定されていましたが、気象条件とクルー1名の些細な健康問題によって延期に延期を重ねています。一方、ISSではCrew-2のチームが地球帰還に向けて準備中。今の状況だと、どうやらCrew-2の面々はCrew-3のチームにISS内でバトンタッチできないまま地球に戻ってくることになりそうです。
NASAの商業乗員輸送プログラムマネジャーSteve Stich氏は4日に公開したリリースの中で「これらは日ごとに変わるダイナミックで複雑な判断です」と述べていました。 「11月の気象は特に厳しくなるので、ミッション保証とクルーの安全性においてもっとも高確率な計画で前進することが我々のゴールです」とコメント。
Crew-2のメンバーであるNASAのシェーン・キンブロー宇宙飛行士とメーガン・マッカーサー宇宙飛行士、JAXAの星出彰彦宇宙飛行士にESAのトマ・ペスケ宇宙飛行士は、執筆時点の情報では日本時間の11月9日04時05分(米国東部標準時間11月8日14時05分)にISSを離脱予定。Crew-2の離脱はクルードラゴン宇宙船と回収チームの準備具合、気候と海洋のコンディションなどさまざまな要因に左右されます(パラシュートを使ってフロリダ沖に着水する予定)。
Crew-3の到着を待たずしてCrew-2が発つことになれば、ISSに残るのは第66次長期滞在のクルーであるRoscosmos(ロスコスモス)のピョートル・ドゥブロフ宇宙飛行士とアントン・シュカプレロフ宇宙飛行士、NASAのマーク・ヴァンデハイ宇宙飛行士の3名のみとなります。なお、執筆時点でのCrew-3の打ち上げは現地時間11月10日の予定。
Crew-3の打ち上げウィンドウは現地時間11月6日と7日にもありましたが、悪天候のためNASAとSpaceXは諦めざるを得ませんでした。具体的には発射台での強風、積雲さらに落雷の可能性への懸念や射程に沿った領域で好ましくない状況だったことから飛行中止は必然だったのです。
しかも11月8日の天気予報もあまり良さそうではありません。またNASAは前述のCrew-3の一員の些細な(そして公表されていない)健康問題を引き続きモニタリング中です。Crew-3のクルーはNASAからラジャ・チャリ宇宙飛行士、トーマス・マーシュバーン宇宙飛行士とケイラ・バロン宇宙飛行士、そしてESAからマティアス・モーラー宇宙飛行士となっています。
4日に発表されたリリースでNASAは「Crew-3の打ち上げとCrew-2の帰還のどちらを優先すべきかは、クルードラゴンの着水とその打ち上げのどっちに好ましい条件である可能性が高いかを踏まえてミッションチームが数日中に最終的な判断を下す」とコメントしていました。「NASAとSpaceXは打ち上げと地球帰還のオペレーションとの間に要する時間も再検討している」とのこと。
Crew-2は現地時間の4月23日に打ち上げられ、翌日にISSに到着しました。彼らのクルードラゴン「エンデバー」は199日間も宇宙に滞在していることになります。NASAから定められた要件で、SpaceXの宇宙船は軌道上に210日間滞在できるようになっているとか。NASAは「必要に応じて、宇宙船はさらなる分析でもっと長く軌道上に滞在できるようになるかもしれない」と考えています。
いずれにせよ、Crew-2がようやく帰還できるのか、それとも離脱日がさらに再設定となるのか、地球からは見守るのみです。
Source: NASA(1, 2, 3), JAXA, Twitter,
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