坂井市の除雪作業委託業務で有利な取り計らいをするために金券の供与と収受があったとして、福井署と坂井西署、県警捜査二課などの合同捜査本部は五日、収賄の疑いで同市坂井町田島、市土地改良合同事務所主任吉川敏浩容疑者(46)を、贈賄の疑いで同市坂井町宮領、塚谷建設役員塚谷直人容疑者(41)をそれぞれ逮捕した。
贈賄の疑い業者役員も
逮捕容疑では、吉川容疑者は市高速交通対策室主任として勤務していた二月ごろ、二〇二一年度に市が発注した除雪作業委託業務で、同社が今後も含めて有利な取り計らいを受けたいとの趣旨で供与したギフトカード計三十六万円分を受け取り、塚谷容疑者は同じ趣旨でギフトカードを渡したとされる。
県警捜査二課は両容疑者の認否を明らかにしていない。合同捜査本部は、吉川容疑者から話を持ちかけたとみている。
同対策室は北陸新幹線や広域幹線道路の整備促進や、市が管理する道路の除雪作業などを担当。吉川容疑者は〇一年、旧坂井町(現坂井市)に採用された。対策室には一六年に異動し、一九年に主任に昇進。除雪作業関連を担当していた。除雪作業は随意契約で、合同捜査本部は有利な取り計らいの具体的な内容などを調べている。
合同捜査本部は五日夜、坂井市役所を家宅捜索し、対策室や吉川容疑者の執務室などから関係資料を押収した。
市によると、二〇二一年度の市道除雪に関する随意契約で、塚谷建設は市役所周辺の延長七・三キロを担当していた。十二月一日〜翌年三月十五日の期間中に、出動は四回。車検費用などの固定費と作業費、待機費で支払額は計百九十五万円ほどだった。
除雪費は保有車両などによって違いがあるものの、あらかじめ基準が決まっている。市幹部は「毎年、業者の確保に四苦八苦している」と説明する。塚谷建設は二一年度、市の補助二百万円を受けて除雪車両一台を増設し二台体制とした。担当する市道延長は前年度の三・四キロから七・三キロに増えたが、市は契約内容に関し「違和感を持っていない」としている。
塚谷建設は旧坂井町時代から除雪作業を請け負っていた。市は、市道の実情を知っているとして〇六年三月の合併後は毎年、随意契約で委託している。旧四町単位で担当職員一人を配置。吉川敏浩容疑者は高速交通対策室に配属された一六年度から担当となり、業者と直接やりとりする立場だった。最終的な契約は複数の上司と協議し、決定していたという。
市によると、吉川容疑者は人事評価制度で五段階の上から二番目。「まじめで、主軸になる職員だった」(市幹部)。一方、塚谷直人容疑者も「祭りなど地域の行事に熱心で、かわいらしい性格。そんなことをするタイプではない」(市商工会関係者)。
池田禎孝市長は五日、市役所で会見し「誠に遺憾であり、深くおわびを申し上げる」と謝罪した。その上で「事実関係を確認し、厳正に対処していく。公務員倫理の順守、再発防止に取り組み、市民の信頼回復に全力で努める」とした。
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