ギフトを受け取った側が「選び直せる」まさかのサービスが誕生し、SNSで話題を集めた。わざわざ選んでくれたギフトを選び直すのは気が引けるといった声もありそうだが、意外なことに贈り手も受け手も好意的に感じているという。斬新サービスはなぜ誕生したのか、そしてその背景にある生活者のインサイトとは何か。
GiftXが展開するオンラインギフトサービス「GIFTFUL（ギフトフル）」。受け手が“選び直せる”という斬新な機能を持つ。なぜ生まれたのか
「ギフトを受け取った人が、好きな商品に交換できる」。そんな斬新で驚きの機能を持ったギフトサービスがある。2023年4月に生まれた新しいオンラインギフトサービス「GIFTFUL（ギフトフル）」だ。
贈り手は1つのギフト商品を選び、メッセージカードと共にリンクを送る。それを受け取った人は、そのリンクにアクセスし、そのままギフトを受け取るか、自分で選び直して受け取るかを選択できる。受け取り手続きが完了してから、贈り手に支払いが発生する仕組みだ。贈り手が、受け取った人がどのような商品に選び直したかを確認できる機能もある。
まさかの選び直しが可能なギフトサービス
心を込めて贈られたギフトを選び直す――。一見すると、贈り手に失礼と取られかねないとも思ってしまうが、なぜこのようなサービスが誕生したのだろうか。
きっかけはコロナ禍だったと話すのは、このサービスを運営するGiftX（東京・新宿）の代表、飯髙悠太氏だ。「コロナ禍を機に、社会全体にデジタルによる変革が今まで以上に起こり、私たちの暮らしは飛躍的に便利になった。しかし一方で、デジタル化が進む今、人と人との温かみのある関係性の大切さも際立ってきた。人の根っこにある幸福や豊かさとは何かと考えたのが、私たちが事業を考える起点になった。そこで、人が人を思って贈り物をする温かな体験や幸せな時間について掘り下げていった」（飯髙氏）という。
最良のギフト体験とは 「選び直し」に潜在的ニーズ
贈り手と受け手、双方にとって最良のギフト体験とは、贈り手が受け手の趣味嗜好をよく知っていて、本当にほしいと思っているものを贈って相手に喜んでもらうことだろう。しかし、どんなに身近な相手でもギフト選びは難しく、ミスマッチが多々起こるのが現実だ。よかれと思って贈られたものだったとしても、使わないままタンスの肥やしになってしまった経験は誰にでもあるはずだ。
「私自身、結婚祝いに同じブランドのシャンパングラスのセットを5組いただいたことがあった。うれしいけれど、誰からいただいたグラスか分からないまま使うことになるのが残念だった」（飯髙氏）。そんな飯髙氏自身の体験も一つの理由としてあり、結果として選び直しの発想が生まれた。
とはいえ、せっかく相手が選んでくれたギフトを選び直すのは、失礼だと気兼ねしてしまわないものだろうか。また、どうせ選び直しをするのなら、もともと贈り手が商品を選ぶ必要がないのではないかという疑問も浮かぶ。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
からの記事と詳細 ( 受け手が「選び直せる」まさかのギフト 使っても嫌われない？ - 日経クロストレンド )
https://ift.tt/bpcR5Ey
No comments:
Post a Comment