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Monday, May 31, 2021

AMD、Zen 3採用のデスクトップ向けAPUを発表。従来比50%高速なノート向けGPUも - PC Watch

デスクトップ向けRyzen 5000シリーズAPU

 AMDは6月1日、開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2021にて基調講演を開催。デスクトップ向けZen 3 APUや、モバイル向けRadeon RX 6000Mシリーズなどを発表した。

Zen 3となったデスクトップ向けAPUなど投入

 CPU製品としては、Zen 3ベースのデスクトップ向けAPUとして「Ryzen 7 5700G」および「Ryzen 5 5600G」を発表。ともに8月5日の発売を予定しており、北米価格はそれぞれ359ドル、259ドル。

 前者は8コア/16スレッド、後者は6コア/12スレッドの製品で、Ryzen 3000シリーズAPUの後継製品となる。加えて、デスクトップ向けRyzen 5000シリーズでは単体で販売を行なっていない「Xなし型番のCPU」に相当する部分を、価格/性能の面からカバーするかたち。

Ryzen 7 5700GとRyzen 5 5600Gの製品を展開
ROGUE COMPANYでは1080p/高設定で平均78fpsを実現
対Core i7-11700のグラフィックス性能は最大2.45倍に

 同社の検証では、4対4の対人型シューティングゲーム「ROGUE COMPANY」を内蔵GPUでプレイした場合、1080p/高設定の場合で平均78fpsを発揮できるとする。また、競合となるCore i7-11700との比較では、クリエイティブ用途で最大1.63倍、ゲーミング用途で最大2.45倍のグラフィックス性能を実現したという。

 主な仕様はRyzen 7 5800の場合、最大クロックが4.6GHz、GPUコア数が8基(2.0GHz)、L3/L2キャッシュが16MB/4MB。Ryzen 5 5600Gの場合、最大クロックが4.4GHz、GPUコア数が7基(1.9GHz)、L3/L2キャッシュが16MB/3MB。TDPはともに65Wとなる。

法人向けとなるRyzen PRO 5000シリーズも投入

 また、法人向けデスクトップAPUとして「Ryzen PRO 5000シリーズ」も投入。小型PC向けのGシリーズ(TDP 65W)および、超小型PC向けのGE シリーズ(TDP 35W)を用意し、それぞれ3製品ずつ展開する。

 ともにコンシューマ向け製品では搭載していないセキュリティや端末管理などに関わる機能を内蔵。ハードウェアベースの保護機能のAMD Shadow StackやMicrosoft Secured-Core PCなどを新たにサポートした。

 さらに、前世代にあたるRyzen PRO 4000シリーズからアーキテクチャが変わったことで、IPCが最大19%向上するなど性能面も改善している。

 Ryzen 3/5/7のそれぞれのグレードで、GおよびGEシリーズを1製品ずつ用意。Ryzen 7 PRO 5750GおよびGEは8コア/16スレッドで最大クロック4.6GHz、Ryzen 5 PRO 5650GおよびGEは6コア/12スレッドで最大クロック3.9GHz、Ryzen 3 PRO 5350GおよびGEは4コア/8スレッドで最大クロック4.2GHzとなる。

強固なセキュリティ機能やAMD PROによる管理機能などを搭載

RDNA2採用で従来比50%高速化したRadeon RX 6000Mシリーズ

Radeon RX 6800M

 さらに、RDNA2アーキテクチャを採用したノートPC向けGPUとして、Radeon RX 6000Mシリーズを発表。上位からRadeon RX 6800M、Radeon RX 6700M、Radeon RX 6600Mを用意する。

 RDNAアーキテクチャのものと比べて最大50%の高速化を実現。電力効率も大幅に向上し、従来比最大43%の改善を達成した。GPUメモリアクセスを高速化するSmart Access Memoryや、CPUとGPUのあいだで熱設計の枠を融通するSmartShiftにも対応している。

 上位のRadeon RX 6800Mでは、最新のAAAタイトルにおいて、競合のGeForce RTX 3070やRTX 3080と同等またはやや高いフレームレートを実現できるとする。また、1440p/最高設定の場合では、多くの人気タイトルで最大120fpsを達成できるほか、電力効率の高さにより、バッテリ駆動時でも高い処理性能を発揮できるという。

 主な仕様はRadeon RX 6800Mの場合、Compute UnitおよびRay Acceleratorが40基、メモリが12GB GDDR6でバス幅が192bit、Infinity Cacheが96MB、ゲームクロックが2,300MHz。

 RX 6700Mの場合、Compute UnitおよびRay Acceleratorが36基、メモリが10GB GDDR6でバス幅が160bit、Infinity Cacheが80MB、ゲームクロックが2,300MHz。

 RX 6600Mの場合、Compute UnitおよびRay Acceleratorが28基、メモリが8GB GDDR6でバス幅が128bit、Infinity Cacheが32MB、ゲームクロックが2,177MHzとなる。

Radeon RX 6700M
Radeon RX 6600M
各社より搭載製品が順次投入される見込み

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宇宙の暗黒物質の詳細マップ公開で、予想外の問題が浮上 - MITテクノロジーレビュー

暗黒物質(ダークマター)を説明しようとするのは、あなたの家の中に住んでいる幽霊について説明しようとするようなものだ。それ自体は一切目に見えないが、それが動かしているものは見ることができる。唯一それを説明できるのは、直接は観測も計測も接触もできない見えない力だけである。

私たちが暗黒物質の存在を知っているのは、宇宙を取り囲んでいる暗黒物質が及ぼす影響を観測できるからだ。科学者たちは、宇宙の約27%が暗黒物質でできていると推測している(68%が暗黒エネルギー、残りの5%が通常物質およびエネルギーだ)。この捉えどころのない物質は正確にはどこにあるのか?そしてそれは宇宙でどのように分布しているのか?それが皆の頭の中にある問いだ。

「ダークエネルギー・サーベイ(DES:Dark Energy Survey)」と呼ばれる国際プロジェクトは、この問いに答えを出すための取り組みだ。DESは先日、宇宙にある暗黒物質の最も巨大かつ詳細な地図を公開したばかりだ。地図の作成にあたっては、アルバート・アインシュタインの一般相対性理論まで遡る物理学の考え方と、現時点ではしっかり整合性が取れない予想外の発見もいくつかあった。

DESでは、暗黒物質をマッピングするにあたっての代用として、できる限り多くの銀河を画像化しようとする取り組みである。暗黒物質の重力はこれらの銀河の分布のあり方に強い影響を与えているため、科学者らは銀河の位置から暗黒物質の密度が高い場所を推測できる。2013年8月から2019年1月にかけて、多くの科学者たちがチリにある4メートルのヴィクトル・M・ブランコ望遠鏡(Victor M. Blanco Telescope)に集結し、近赤外線で空を観測した。

今回の地図作成には重要なポイントが2つあった。1つ目は、単純に宇宙全体における銀河の位置と分布を観察することだ。銀河の配置は、暗黒物質が最も集中しているのはどこなのかを科学者たちが突き止める手がかりになる。

2つ目は宇宙空間を移動する暗黒物質によって生じる「重力レンズ」を観測することだ。重力レンズとは、まるで虫眼鏡を覗いた時のように、銀河から放たれる光がの重力で引き伸ばされる現象のことである。科学者たちは重力レンズを利用することで、実際に暗黒物質がその付近の空間をどの程度占めているのかを推測できる。光の歪みが強いほど、暗黒物質が密集していることになる。

最新の調査結果は、延べ345晩以上にわたって2億2600万個を超える銀河を観測して集計された、DESの最初の3年間のデータから導き出された。「現在、南天球の4分の1以上に渡る暗黒物質をマッピングできました」と、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンおよびパリ高等師範学校(École Normale Supérieure )の研究者で、DESプロジェクトの主導者の1人でもあるナイアル・ジェフリー博士は話す。

dark matter map
最新の結果を反映した、DESの暗黒物質マッピングの現状。明るくなっている部分は最も暗黒物質の密度が高く、暗い部分は密度が低いことを示している。

今回のデータは、いわゆる「標準的宇宙論モデル」と概ね合致している。標準的宇宙論モデルでは、宇宙はビッグバンによって誕生し、全体の質量エネルギーの95%は暗黒物質および暗黒エネルギーでできていると仮定されている。今回の新たな地図により、これまでは見えなかった宇宙における広大な暗黒物質の構造の一部を、科学者たちがより詳細に研究できるようになった。地図上の最も明るい部分が暗黒物質の密度が最も高く、非常に密度が低いボイド(空洞)の周囲にクラスター(銀河団)とハロー(銀河を包み込むように球状に分布している領域)を形成している。

だが、予想外の問題もいくつか浮かび上がってきた。「宇宙は我々の予想よりもなめらかなのではないかという手がかりを発見しました。これらの手がかりは、他の重力レンズ実験でも観測されています」と、ジェフリー博士は話す。

これは一般相対性理論で予測されていなかったことだ。一般相対性理論に従えば、暗黒物質はもっと密度が高く、もっと不均等に分布しているはずだ。公開されている30ページに渡る論文で著者らは、「このエビデンスは全くもって確定的なものではないが、我々は新たな物理学の始まりのきっかけを目の当たりにしているのかもしれません」と述べている。宇宙論研究者にとっては、「アインシュタインが説明した重力の法則を変えることに相当するものかもしれません」。

もしそれが本当なら影響はあまりにも大きく、慎重な姿勢が何よりも重要だ。なぜなら、実際のところ、私たちが暗黒物質について知っていることはあまりにも少ないからである(なにしろ、まだ直接観察できていないのだ)。例えば、「仮に付近の銀河が複雑な天体物理学の影響によって不思議な形で整列しているとすると、重力レンズを用いた私たちの研究結果は誤解だったということになります」とジェフリー博士は書いている。

言い換えれば、今回の暗黒物質の地図に歪みを与えるような結果をもたらした、何らかの風変わりな説明が付けられる可能性は大いにあるということだ。そしてそれは、一般相対性理論と両立するものかもしれない。そうなれば、アインシュタインが正しいという前提でこれまでの生涯を研究に費やしてきた天体物理学者たちは、心の底から胸をなでおろすことになるだろう。忘れてはならないのは、一般相対性理論は長年に渡ってさまざまな試練に直面してきたが、そのどれも見事にクリアしてきたということだ。

今回の研究結果はすでに波紋を呼んでおり、今後はさらに複数のDESデータの公開が控えている。「すでに天文学者らはコズミック・ウェブの構造研究に今回の地図を利用しており、銀河と暗黒物質の繋がりに関する理解を深めようとしています」とジェフリー博士は話す。今回の研究結果が実際には取るに足らないものなのか、それとも私たちの宇宙に対する理解が大きく書き換えられようとしているのか、そう遠くないうちに答えを知ることができるのかもしれない。

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「退職金受け取って」"米軍医"名乗る男から連絡…40代女性192万円被害 5回目振り込もうとし発覚 - FNNプライムオンライン

「退職金受け取って」"米軍医"名乗る男から連絡…40代女性192万円被害 5回目振り込もうとし発覚
北海道文化放送

北海道文化放送

地域

 SNSを通じて知り合ったアメリカ軍の軍医を名乗る男らに、40代の女性が約192万円をだまし取られる詐欺事件がありました。

 被害に遭ったのは、北海道上川地方に住む40代の女性です。

 女性は5月16日、SNSを通じてアフガニスタン在住の「アメリカ軍の軍医」を名乗る男と知り合いました。

 警察によりますと、男から女性にメッセージアプリで「退職したら日本に行きたい」「退職金を日本に送るので受け取ってほしい」などと連絡があったということです。

 その後、外交官を名乗る男から「退職金を受け取るには運送費用がかかる」などと女性にメールが届いたため、女性は5月28日から30日にかけて4回にわたり、現金約192万円を振り込みました。

 女性が31日に5回目の振り込みをしようとしたところ、不審に感じた金融機関の職員が警察に通報。事件が発覚しました。

 北海道上川地方では、詐欺を疑わせる同様のメールなどが確認されているということで、警察は「SNSで知り合った相手から現金を要求された場合は詐欺を疑い、相談してほしい」と注意を呼びかけています。

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可変式望遠レンズの実力は? 「Xperia 1 III」のカメラであれこれ遊んでみた:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ) - - ITmedia

Xperia 1 III 細長いスタイルが定着した「Xperia 1」シリーズ。IIIでは望遠カメラ周りに注目

 スマホカメラは進化する過程で「デジタルカメラ」とは別方向に大きくかじを切って成功したけど、そんな中、あえてデジタルカメラとして扱える、本格的な撮影に対応できるものを作ろうというソニーらしいコンセプトで登場したのがXperia 1シリーズなのである。当初はその志に追い付けない感があったけど、目指すところがあるというのは大事で、年々着実に進化しているのだ。

 今回の大きな進化は「トリプルカメラだけど実質クアッド」ってとこと、2つに分かれていたカメラアプリが統合されたこと。この2点を中心に見ていきたい。

 なお、レビューでは発売前の試作機を使用している。

実質クアッドカメラのXperia 1 III

 Xperia 1 IIIは見ての通り、3つのカメラを搭載している。上から順に超広角カメラ(16mm相当)、広角カメラ(24mm相当)、望遠カメラ(70mm/105mm相当)である。

Xperia 1 III トリプルだけど実質クアッド

 この望遠カメラが新しい。これは内部に光学ズーム機構を持っており、70mm相当と105mm相当を切り替えて使うのだ。ソニーでは可変式望遠レンズと言っている。これ、ちょっと分かりづらいのだけど、70mmと105mm相当の2段階のステップズームと思っていい。使う側としては実質クアッドカメラなのだ。

 では超広角から105mm相当の望遠まで順番にそのズームっぷりを見てみたい。超広角は16mm相当でF2.2。イメージセンサーは1/2.6型で1200万画素だ。これは従来と同じ。

Xperia 1 III 16mm相当の超広角カメラ

 続いて、広角カメラ。メインカメラとなるのでちょいと高性能で、レンズは24mm相当でF1.7と明るく、イメージセンサーサイズも1/1.7型とちょっと大きめで1200万画素。いまひとつカラっと晴れてくれなかったのでコントラストは低めだけど、写りはナチュラルでいい感じ。

Xperia 1 III メインカメラとなる広角カメラで撮影。最も階調が豊かで高性能なカメラがこれ

 3番目は望遠カメラの70mm相当の方。広角カメラからは2.9倍となる。イメージセンサーは1/2.9型。超広角カメラのセンサーより少し小さいが、前モデルの望遠カメラよりは少し大きくなり、画質も上がった。F値はF2.3に抑えられている。

Xperia 1 III 70mm相当の望遠カメラで撮影。快晴ならもうちょっとキリッと写ったはず

 最後は105mm相当。70mmの1.5倍であるが、最後のひと伸びって感じでうれしい。F値はF2.8と70mm相当に比べるとちょっと暗くなるけど、スペック的には悪くない。

Xperia 1 III 105mm相当の望遠カメラで撮影。ここまで撮れれば十分

 こうなると24mmと70mmの間がちょっと離れているよね、50mm相当くらいが欲しいよね、となる。ソニー的にはそこは「AI超解像ズーム」(AIを利用して補完する)を使い、クオリティーを上げたという。そこで48mm相当(広角カメラの2.0x)で撮ってみた。

Xperia 1 III デジタルズーム(AI超解像ズーム)で48mm相当にしてみた
Xperia 1 III ディテールは甘くなるけど、不自然さはあまりなくて十分使える。これはよい

 何だかんだいってディテールは少し甘くなるけど、「AI超解像」というだけあってデジタルならではの不自然な感じは軽減されている。良いことである。今後、この手のデジタルズームの技術ってすごく重要になっていくと思う。

望遠カメラを使いこなそう

 気になる望遠カメラは当然、光学式手ブレ補正付きで、Dual PD(つまり像面位相差AF)でAFも速くなった。これは期待できそう。まずは走ってくる電車を連写だ。

 連写はAF/AE追従で秒20コマと超高速。ただしこれは広角カメラのみ。望遠カメラでは秒10コマとなる。ちょっと残念。で、105mm相当で連写したのがこちら。

Xperia 1 III 走ってくる特急列車をリアルタイムトラッキングAFで追い続けて連写

 AF-Cモードで被写体をタップしてリアルタイムトラッキングをかけてやると、きっちり追い続けてくれる。

Xperia 1 III 105mm相当の望遠で連写した中の1枚。少しディテールは甘いがキッチリ撮れている

 さらに被写体ブレを防ぐためにシャッタースピード優先にして1/1000秒で撮影。

Xperia 1 III かけぬけていく電車をきっちり捉えるため、シャッタースピードを上げて撮影

 手前にかぶったワイヤにAFが引っ張られることなく、ちゃんと車体を追い続けてくれた。

Xperia 1 III 手前のワイヤにとらわれることなく、ちゃんと電車のフロントを追い続けてくれた。これはよい

 ただ、ローリングシャッターのゆがみには注意。望遠カメラのセンサーはけっこう出ちゃうのだ(逆に広角カメラでは高速で動く被写体を撮ってもほとんどゆがまない)。さらに、70mm相当の望遠で撮った鶏もどうぞ。

Xperia 1 III 鶏の顔を認識(鳥認識AFは持ってないので、動物と判断したのかも)したの図。おかげでフェンスではなく顔にフォーカスが合っている
Xperia 1 III 70mm相当で鶏の顔を。けっこう近くの被写体でも撮れるので、望遠カメラの使い道は広い。写りもすばらしい

 望遠カメラはけっこう寄れるので花も撮れる。

Xperia 1 III 105mm相当の望遠であじさい。望遠カメラはモノの形がきれいに出るので、こういうときによいのだ

 70mm相当はポートレート撮影にもちょうどよい焦点距離だ。

Xperia 1 III 70mm相当の望遠カメラで撮影。天候はよくなかったけど、色もディテールも悪くない

 センサーが小さい分、高感度時の画質はちょっと不満ではあるが、前モデルの望遠カメラより良くなっており、撮影の幅が広がったって感じ。

2つのカメラアプリが融合して使いやすくなった

 もう1つのトピックはカメラアプリ。Xperia 1 IIは通常のカメラアプリと、アップデートで後から追加されたPhotography Proという2つのアプリがあり、使い分ける必要があった。カメラアプリは他のXperiaと同じ「スマホカメラ」っぽいアプリ。Photography Proは露出を自分でコントロールできる「本職カメラ」っぽいアプリだ。

 ただ、カメラアプリは「動物瞳認識AFが使えない」「超高速連写が使えない」、逆にPhotography Proはスマホカメラならではの「インカメラ・ぼけ・動画」を使えないという欠点があり、使い分けが面倒だった。

 Xperia 1 IIIでは両者が融合。カメラアプリは「Photography Pro」1つになり、そのBASICモードが従来の「カメラアプリ」となった。こんな感じで切り替えて使う。

Xperia 1 III BASICモード。画面はスマホカメラアプリらしく丸いシャッターボタンもある
Xperia 1 III 画面上のダイヤルを回す感じで撮影モードを変える。AUTO以下はPhotography Proのユーザーインタフェースに切り替わる
Xperia 1 III プログラムオート(P)にすると画面デザインがガラリと変わる。常に露出が表示され、右側はシャッターがなく現在の撮影設定が表示されタッチでさっと変えられる

 操作系は変わるが、写りの差はそれほどない。

Xperia 1 III BASICモードで撮影。シーンを認識して自動的に「ソフトスナップ」になり、明暗差が大きいのでHDRがオートでかかった
Xperia 1 III プログラムオートで撮影。階調の調整はDROにしたので背景が少しトんでいるが、その分ナチュラルな写り

 PSMの各モードでは露出補正やホワイトバランスやISO感度のマニュアル設定など細かいコントロールができる。まずはこれらのモードでいろいろ撮ってみたい。一番の特徴は、画面の右側がさまざまな撮影設定で埋まっていてシャッターボタンがないこと。

Xperia 1 III シャッターボタンがないので、このモードの時は側面(というか上面)のシャッターキーを押す。半押しも可能だ
Xperia 1 III 横位置で構えると上面にくるシャッターキー。これで撮影。またこれを長押しするとカメラが立ち上がるので便利

 このモードのときは側面のシャッターを押すのだ。だから両手で構えないと安定しないし、縦位置で撮るときはちょっと不便。その代わり、細かいセッティングをさっと変えられるし、常に現在の設定が見えているので、カメラを知っている人には扱いやすい。

 個人的にはAF-ONボタンがいい。AF-Cモードにしてこれをタップすると、リアルタイムトラッキングAFが働きフォーカスを合わせ続けてくれるのだ。ソニーのミラーレス一眼「αシリーズ」にも「AF-ON」ボタンはついており、私もαを使うときは愛用している。これは犬の瞳にフォーカスを合わせ続けている図。

Xperia 1 III AF-CモードでAF-ONをタップすると、被写体を追い続けてくれるので、動物を撮るときにいい
Xperia 1 III 事情があって保護された子犬。現在里親募集中だそうです。ちょっとディテールが甘いのは、室内のためISO感度が上がったから

 Photography Proのモードではカメラを知っている人ほど使いやすいのが特徴。例えばレンズの切り替えだ。4つの焦点距離が35mm判換算時の数値で表示され、さらにその中間に合わせたいときも、フルサイズセンサーのカメラを使っている人に分かりやすいよう、35mm判換算の焦点距離で表示してくれるのだ。

Xperia 1 III 24mmの広角カメラを50mm相当のデジタルズームにセットした図
Xperia 1 III AI超解像ズームのおかげで多少ならデジタルズームをかけても十分なクオリティーで撮れる。逆光気味だったので+1/3の露出補正をかけた

 ISO感度やホワイトバランス、シャッタースピードをマニュアル設定できるのもいいところ。夕日がキレイだったので印象的に撮ろうと、ホワイトバランスを太陽光にし、マイナスの露出補正をかけて撮ってみた。

Xperia 1 III 夕焼けがきれいだったので−1の補正をかけ、ホワイトバランスを太陽光にして撮ってみた
Xperia 1 III 夕焼けは少しマイナスの補正をかけてやると赤がきれいに出る

 反対にBASICモードは普通にスマホカメラなので、細かいことは考えずに気楽に撮るのにいいし、スマホならではのぼけモードも使える。特に望遠でぼかすといい感じのポートレートになるのでおすすめ。傘を差しているという難しい条件だったけど、iToFが頑張ったのだろう。傘の一部がうまくに認識されないくらいで済んだ。

Xperia 1 III 傘があるので不安ではあったけど、ぼけモードを駆使して雨のポートレートを。傘の一部以外は完璧

 インカメラを使った自撮りもBASICモードオンリーだ。

Xperia 1 III インカメラを使えるのはBASICモードのみ

 ポートレートセルフィー機能で背景をぼかす&ビューティー機能で撮ってみた。

Xperia 1 III ポートレートセルフィーで背景ぼかし&ビューティーな自撮りを。インカメラ側にはiToFがないのでエッジがちょっと微妙だった

 動画もBASICモードで撮る。

Xperia 1 III 動画は4Kまでだが実にナチュラルで良い。BASICモードで撮るべし
手ブレ補正もよく効くし、写りも自然(もやっとしているのは雨が降っていたからです)

 本格的に映像作品を撮りたいときは、「Cinema Pro」を別途起動することになる。

本職デジタルカメラらしい自然な写りに注目

 では最後にそれ以外の作例を。まずは料理。これはBASICモードで撮影。料理と認識された。

Xperia 1 III ラーメンをBASICモードで。料理と認識された。気軽に撮るときはシーン認識があるBASICモードがいい

 続いて夜。イマドキ流行のナイトモードは持ってない。おかげで黒がぎゅっと締まった夜景らしい夜景を撮ってくれる。

Xperia 1 III 夜の団地。イマドキのスマホみたいに暗部を明るくしたりはしない。本職カメラで撮るとこんな感じなのだ

 さらに70mm相当で夜の公衆電話を。この望遠カメラはけっこう寄れるのでつい使ってしまう。

Xperia 1 III 70mm相当で夜の公衆電話。背景に団地のエントランスを入れてみた。くらい分ちょっとざらっとしたけど悪くない

 105mmでの望遠でも1枚。夕刻、駅を出たら巨大な虹がかかっていたので、望遠カメラにして撮ってみた。

Xperia 1 III 大きな虹が出ていたのでつい撮ってしまった。105mm相当の望遠ならここまでしっかり撮れる

 最後は広角カメラであじさい。雨の中、実にいい感じにしっとりと撮れた。

Xperia 1 III ぐぐっと寄って雨のあじさい。画質的には広角カメラがやはり一番いい。ディテールもきれいに出る

 と、Xperia 1 IIIの特徴的なところを中心に見てきたが、写りが非常にナチュラルで好感が持てるというのが一番の感想だ。イマドキのスマホカメラは強めにHDRをかけてくっきり鮮やかに仕上げる傾向があるし、その方がぱっと見てきれいに感じるのでそれが喜ばれるわけだが、Xperia 1 IIIはあえてそういう画作りは避け、作りすぎない比較的ナチュラルな写真を撮ってくれる。デジタル一眼などを使い慣れている人にはこちらの方がしっくりくるし、不自然な写真になることも少ない。

 でも、αを目指すのならまだまだレベルアップできるところはあるわけで、個人的には多少カメラ部が分厚くなってもいいから、クオリティーを追求していってほしいなあと思ったりもするわけで、この先も楽しみである。

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