■年金制度が改正 受給開始時期の選択肢が拡大
「人生100年時代」といわれる高齢化社会で、生活を支える一つとなるのが年金制度です。
日本の公的年金制度は、20歳以上のすべての人が共通して加入する国民年金と、会社員が加入する厚生年金などによる「2階建て」と呼ばれる構造になっています。
2022年4月から年金制度改正法が順次施行され、年金制度の適用対象が広がったり、受給開始時期の上限が引き上げられます。
現行の制度では年金を受け取り始める年齢を60~70歳の間で決めることができますが、改正後は60~75歳の間で選ぶことができるようになります。
65歳より早く受け取り始めた場合(繰上げ支給)は最大で30%減額、65歳より遅く受け取り始めた場合(繰下げ支給)は最大42%増額した年金を受け取ることができます。
今回は、全国の男女計1,250名を対象に「年金の受け取り年齢に関するアンケート」を実施しました。
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「年金の受け取り年齢に関するアンケート」調査概要
調査期間:2022年2月4日~2月7日
質問内容:
質問1:年金の受け取り開始時期を選べることを知っていましたか?
質問2:何歳から年金を受給したいですか?
質問3:具体的に教えてください。
質問4:年金の保険料(掛け金)は毎月いくらがいいですか?
質問5:具体的な金額を教えてください。
質問6:年金で毎月いくら受け取りたいですか?
質問7:具体的な金額を教えてください。
集計対象人数:1,250名(30代以下・40代・50代・60代・70代以上 各年代250名)
調査対象者:男女
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
■30代以下の半数が、年金の受け取り開始時期を選べることを「知らなかった」
まず初めに、年金の受け取り開始時期を選べることを知っていたか聞きました。
27.9%の方が「知らなかった」と回答しました。
年代別に集計するとこのようになりました。
実際に年金を受け取ることができる60代や70代以上では8割以上の方が「知っていた」と回答しました。
30代以下では「知らなかった」と回答した方が50.8%で、「知っていた」方よりわずかに多くなりました。
■年金の受け取り開始時期「71~75歳」にしたい方は7.4%
2022年4月の年金制度改正法の施行により、年金の受け取り開始時期を60~75歳の間で選ぶことができるようになりますが、実際に何歳から年金を受給したいか聞きました。
41.1%の方が、年金支給開始年齢とされている65歳を選びました。
65歳より早く受け取りたいと回答した方は28.0%でした。
65歳より遅く受け取る、いわゆる繰下げ支給を選んだ方は29.2%で、そのうち今回の改正法で新たに選択肢に加わった71~75歳を選んだ方は7.4%でした。
年代別に集計するとこのようになりました。
「71~75歳」を選んだ方がもっとも多かったのは40代で12.4%でした。
実際に年金の受け取りができる60代と70代以上の方で「71~75歳」を選んだ方は4.0%でした。
「その他」と回答した方に、
具体的に何歳から年金を受給したいか聞いたので一部を紹介します。
「その他」回答
- 受給のことを考えたことがない。(30代・女性)
- まだ分からない。(30代・男性)
- そんな先のこと、今は考えられない。(30代・男性)
- まだ30代だし、その辺のことはよく分からない。その年齢に近づいた時、自分の貯金がいくらあるかを踏まえて検討したい。(30代・女性)
- 50歳からでもよさそう。(40代・男性)
- 年金受給年齢まで生きてるか分からない。(40代・女性)
- 生きているかどうか分からないから判断のしようがない。(50代・男性)
- 仕事できているかによる。(50代・男性)
- そのときの状況で変わる。(50代・男性)
- 自営業でリタイヤする年齢をまだ決めていないので、受け取り年齢は現時点で未定。(60代・男性)
- 今年から共済年金部分が受け取れることになるが、いつ受け取ることにするか考え中。(60代・男性)
■年金の保険料(掛け金)について47.4%が「0~1万円」がいいと回答
年金の保険料(掛け金)は毎月いくらがいいか聞きました。
47.4%の方が「0~1万円」と回答しました。
年代別に集計するとこのようになりました。
すべての世代で「0~1万円」と回答した方の割合がもっとも高くなりました。
30代以下と70代以上では「4~5万円」を選んだ方が10%を超えました。
■年金で毎月受け取りたい金額 26.5%が「11~15万円」と回答
年金で毎月いくら受け取りたいか聞きました。
26.5%の方が「11~15万円」と回答しました。
年代別に集計するとこのようになりました。
30代以下、40代、50代では「11~15万円」を選んだ方の割合が最も多く、次いで「16~20万円」の割合が多くなりました。
60代では「16~20万円」、70代以上では「21~25万円」と回答した方の割合が最も多くなりました。
■まとめ
今回は「年金の受け取り年齢に関するアンケート」を行いました。
年金の受け取り開始時期を選べることについて、72.9%の方が「知っていた」と回答しました。
年代が上がるにつれて「知っていた」と回答した方の割合が増え、60代以上では8割以上の方が「知っていた」と回答しました。
年金を受け取りたい年齢について、41.1%の方が「65歳」と回答しました。
繰上げ支給、繰下げ支給を選んだ方は、どちらも3割ほどでした。
今回の改正法で選択肢に加わった「71~75歳」を選んだ方は7.4%でした。
年金の保険料(掛け金)について聞いたところ、「0~1万円」と回答した方が47.4%でした。
「2~3万円」と回答した方と合わせると、8割以上の方が3万円以下がいいと思っているようです。
年金で受け取りたい金額について、26.5%の方が「11~15万」と回答しました。
年代が上がるにつれて、受け取りたい金額は高くなるようです。
厚労省の資料によると、令和2年度の老齢年金支給額の平均は146,145円です。
26.5%の方が毎月受け取りたい金額と回答した「11~15万円」の範囲に入っています。
一方で、国民年金の保険料は16,610円(令和3年度)で、47.4%の方が毎月の保険料(掛け金)の理想として回答した「0~1万円」の範囲を超えています。
厚生年金に加入している場合は、標準報酬月額の18.3%が保険料(掛け金)となるため、保険料の負担は理想よりも大きいようです。
公的年金制度は現役世代が保険料を納め、その保険料を高齢者などへ年金として給付する仕組みとなっています。
今回の年金制度の改正で、対象者の拡大や受給開始時期の上限変更などが施行されます。
現役世代の負担を増やすことなく、高齢者への給付を継続できる仕組みは実現できるのでしょうか。
本プレスリリースの内容は、弊社運営サイト「日本トレンドリサーチ」にて公開しております。
https://trend-research.jp/12495/
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本社:〒171-0014 東京都豊島区池袋2-43-1 池袋青柳ビル6F
代表取締役:宮田 裕也
Tel:03-6890-4757
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