
企業年金とは、会社や個人事業主が従業員の退職後の生活安定を目的として行う企業内の私的年金制度です。もともと、「退職金」を分割して受け取るところから始まったといわれており、一時金として受け取ることもできるのが一般的です。 では、一時金受取と年金受取では、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットについて考えます。
雑所得か一時所得か
退職金も企業年金も企業の「退職給付制度」です。しかし、受け取り方の違いにより税金の取り扱いが変わります。 受け取るときの税金は以下になります。 (1)一時金で受け取る場合 退職金の受け取りと同様に扱われます。 退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2 退職所得控除額: 勤続20年以下=40万円×勤続年数 勤続20年超=800万円+70万円×(勤続年数-20年) 例)勤続36年で退職金1500万円と企業年金を一時金で1000万円受け取った場合 退職所得控除額=800万円+70万円×16年=1920万円 退職所得=(2500万円-1920万円)×1/2=290万円 (2)年金で受け取る場合 国民年金や厚生年金と同様に扱われます。 原則として、雑所得は収入金額から経費を引いた額に課税されますが、年金には「公的年金等控除額」が適用されます(企業年金は公的年金等です)。
出典:国税庁 「No.1600 公的年金等の課税関係」 年金の受取額が65歳未満で60万円、65歳以上で110万円を超えた額が雑所得となり課税対象になります。収入が年金のみであれば、この雑所得が基礎控除(住民税43万円、所得税48万円)を超えた部分に課税されることになります。 また、所得金額が多くなると国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の保険料が高くなることもありますので併せて検討が必要です。
税金を抑える受け取り方
控除額を考えて年金を受け取ることで、課税額を抑えることができます。 (1)退職所得控除額までを一括で受け取る。 (2)控除額を超えた部分は、60歳から65歳までに60万円/年(他に所得が無い場合103万円)を超えないように受け取る。 (3)それでも全額を受け取りきれない場合は、公的年金の受け取りを繰り下げて65歳以降110万円/年(他に所得が無い場合153万円)を超えないように受け取る。 しかし、退職金や年金が多い方は控除額以内にするのは難しいですし、他の収入や住宅ローンの残額など事情により有利な受け取り方は人それぞれです。 また、年金が少なくて生活が苦しくなっては本末転倒です。会社の企業年金担当者に試算などをしてもらい、シミュレーションするとよいでしょう。
からの記事と詳細 ( どうやって受け取るべき? 企業年金の受け取り方(ファイナンシャルフィールド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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