県立病院医師、白内障手術動画を無断提供…スター・ジャパンから報酬１０万円受け取る - 読売新聞オンライン

　兵庫県立西宮病院（西宮市）の６０歳代の女性眼科医師が、患者に白内障手術を施す様子を撮影した動画を病院に無断で医療機器メーカーに提供し、報酬を得ていたことがわかった。県は原則として兼業を禁じる地方公務員法に違反するとして、女性医師を７月８日付で厳重注意処分とした。このメーカーは自社製品の購入を促す目的で複数の医師から動画を買い取っていたといい、医療機器業者の団体は不正取引に当たるとみて同社に警告した。（鈴木彪将）

　県病院局によると、女性医師は２０２０年１２月頃、自身が担当した白内障手術の様子を撮影した動画が収録されたＤＶＤを、病院に無断で医療機器メーカー「スター・ジャパン」（千葉県）に提供。報酬として１０万円を受け取った。同社は白内障手術に使う眼内レンズなどを製造しているが、報酬が同社製品を使用する見返りだったかどうか、県病院局は確認していないという。

　今年５月、外部から指摘があり、問題がわかった。医師は患者に、動画を学会の発表で使う可能性がある、などと告げ、撮影の同意を得ていた。県病院局は「映像で患者は特定できず、個人情報の漏えいには当たらない」と判断したが、映像の外部提供に必要な病院の倫理委員会の審査を経ず、所属長らの許可なく業務外の報酬を得た行為を問題視し、厳重注意した。医師は病院局の聞き取りに「（手続きを取る）認識が欠けていた」と話したという。

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